新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
1月9日に横浜市南公会堂で混声合唱団の定期演奏会を収録してきました。ご依頼いただいたのは「アンサンブルKATOO」さんで横浜市南公会堂で開催されました。
前回の第15回定期演奏会が開催されてから約2年。この間、新型コロナ・ウィルスの感染が全世界的に広がり、私達の日常生活は言うまでもなく、あまねく世界的な経済活動に深刻な打撃を与えました。人々が集まる場があるからこそ成立するコンサートやライブ活動への影響は深刻で、音楽活動をする演奏者をはじめ、閉鎖を余儀なくされたコンサート会場、劇場、ライブハウス、音楽サロンなど、音楽の場を提供している事業者さまも先行きが見えない厳しい状況に立たされてきました。
そうした中でも、合唱の団体は、とりわけ厳しい状況だったそうで、練習場所すら確保できず、残念ながら活動停止に追い込まれた団体も多かったようです。ようやく落ち着きを取り戻しつつある中、晴れて定期演奏会を開催できることになり、アンサンブルKATOOの皆さんも、演奏会を待ち望んでいた観客の皆さんも大変お喜びの様子でした。
アンサンブルKATOOの団長である、加藤英明さんは感染症の専門医でいらっしゃり、本業の業務と並行して、合唱活動における飛沫実証実験を全日本合唱連盟と行ってきたそうです。歌唱時の飛沫距離を高感度カメラで観察したり、ドイツ語や日本語による歌唱時の飛沫を科学的な測定を通じて検証し、全日本合唱連盟の「合唱活動における新型コロナウイルス感染症拡大防止のガイドライン」策定に貢献されたそうです。
この検証結果は、論文としてまとめられ、海外の研究雑誌にも掲載されたそうです。
こうして策定されたガイドラインは、舞台での演奏者の立ち位置のみならず、日常対策、練習時の注意事項、企画から公演当日までの対策、来場者への注意喚起事項など、コンサート開催にかかる全てのプロセスを網羅した、実践的なものになっており、多くの音楽関係者にとっても参考になる有用なガイドラインになっていると思いました。
アンサンブルKATOOさんは、実際にこの対策に則った実践練習を神奈川県立音楽堂で重ねてきており、こうした地道な活動が今回の定期演奏会に結実したと言えると思います。
終演後、団員さんのやり遂げた笑顔と観客席からの大きな拍手がとても印象的でした。新型コロナの影響は深刻でしたが、逆風に怯むことなく、先に繋がるアフターコロナへとUpdateした演奏会を創り上げたことは素晴らしいと思いました。
当日の演奏から2曲、ご紹介します。
「風よ」フルリーナの詩による三つの混声合唱曲1(作詩:フルリーナ、作曲:山下祐加)
~アンコール~ 麦の唄[混声4部](作詩・作曲:中島みゆき、編曲:信長貴富)
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