12月25日に大田区民ホールアプリコ・小ホールで管谷怜子 藤瀬有芽 デュオリサイタルの収録をしてきました。クリスマスの夜の公演となりましたが、会場は満席。気鋭の二人の共演を聴こうと多くのお客様でいっぱいになりました。
管谷さんとはレコーディングやコンサートでご一緒しておりますが、藤瀬有芽さんとは初めてのお仕事。日本文化サロンの小川先生や関係者の方々から、素晴らしいヴァイオリニストと伺っていましたので、管谷さんと共演でどのようなケミカルが繰り広げられるのか期待しながら会場へ向かいました。
桐朋学園大学ディプロマコース修了後、慶應義塾大学(美学美術史専攻)卒業。桐朋学園大学院修了。2000年より世界的ピアニスト、故・野島稔のもとで研鑽を積む。2007年地元福岡にてソロリサイタルデビュー以来、ソロリサイタルを中心に福岡、東京、新潟、仙台、熊本、鹿児島など各地で演奏活動を続けている。
「J.S.バッハ クラヴィーア作品全曲連続演奏会」シリーズを12年かけて2024年5月に終え、2027年に向けてベートヴェン・ピアノソナタ全曲演奏に取り組んでいる。2014年~2023年九州大学芸術工学非常勤講師を務める。
2024年3月デビューアルバム「《1853》ピアノソナタの黄昏」をリリース。「音楽現代」の推薦盤に選ばれ、ANA国際便クラシックチャンネルでオンエアされる。2025年春には、ベートヴェンの三大ソナタを収録したセカンドアルバムをリリース予定。
ソロヴァイオリニスト、そして室内楽のプレイヤーとしてロンドンを拠点に活動しているBBC Introducing Artist。ロンドンのウィグモア・ホールやロイヤル・フェスティバル・ホール、ロイヤルアルバートホール、東京のサントリーホールなど、名門ホールで演奏し、数々の音楽コンクールで受賞歴を持つ。
ソリストとしては、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。また、グシュタード・メニューイン・フェスティバルやセイジ・オザワ松本フェスティバルなど数多くの音楽祭に出演している。
シンガポールで育ち、3歳よりヴァイオリンを始める。12歳の時に招かれて単身、英国のユーディ・メニューイン音楽学校でルチア・イブラギモヴァに、オーストリアのグラーツ音楽大学でボリス・クシュニールに師事。その後、ABRSM奨学金を得て英国王立音楽大学で特待生としてアリーナ・イブラギモヴァに師事。同大の修士課程、アーティスト・ディプロマを取得。在学中は、同大ヴァイオリン・コンクール、コンチェルト・コンクールにそれぞれ複数回優勝。ヨーロッパやアジア各地でリサイタルや協奏曲を演奏し、エカート・ランゲ、クリスティアン・テツラフ、今井信子、アリーナ・イブラギボヴァ、ニコラ・ベネディティと共演している。2022年白寿ホールでソロリサイタル、日本デビューを果たす。
使用楽器は、鈴木正浩氏より貸与されているジャン=バティスト・ヴィヨーム(パリ、1868年)。
演奏会場となった、アプリコ小ホールは、室内楽を楽しむには適度な広さと残響があり、お客様は間近でお二人の熱演を楽しまれたと思います。
管谷さんも藤瀬さんも、楽器の音色を巧みに使い分け、とくに繊細なピアニッシモでは、会場全体が息を呑むように美しい響きが満たされていくのを感じます。また、最後の演目となったベートヴェンのヴァイオリンソナタ第7番ハ短調作品30-2では、ヴァイオリンとピアノが大きなうねりを生み出すように絡み合い、圧倒されるようなダイナミズムを繰り広げました。
機会を見つけて、また是非共演を実現させて頂きたいと思います。
当日の演奏から1曲ご紹介します。
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