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執筆者の写真Takahiro Sakai

アンサンブル藝弦 演奏会収録 MUSICASA

9月2日に代々木上原にあるMUSICASAで室内楽の演奏会を収録してきました。出演は「アンサンブル藝弦」さんで、モーツァルト、ベートヴェンの弦楽四重奏曲、そしてゲスト・ピアニストを迎えたシューマンの五重奏曲という意欲的な内容でした。

アンサンブル藝弦は、1987年にヴァイオリニスト井上將興氏が音楽家を志す若者のために、氏自身をコンサートマスターとする弦楽合奏団として設立され、現在はプロとして各方面で活躍するメンバーを中心に構成されています。

この日演奏されたメンバーは(敬称略)


Violin 石川隆(Takashi Ishikawa)

Violin 中山友希(Yuki Nakayama)

Viola 山崎愛(Ai Yamazaki)

Cello 安喰千尋(Chihiro Ajiki)

Piano 半澤佑果(Yuka Hanzawa)ゲスト


の皆さんで、若い感性が光るエネルギッシュな演奏でした。


MUSICASAは、代々木上原という交通の便に優れた閑静なロケーション、上品なホールの響き、モダンな設計でクラシック演奏家の間では人気の演奏会場です。とくに室内楽を演奏するには程よい残響があり、演奏の様子を目前に観れるということもあり、お客様にも好評のようです。

観客としては何回も訪れている場所ですが、収録するのは今回が2回目となりました。改めて会場を見渡すと、音響設計に工夫が凝らされていることが分かります。両壁の交差する位置にホールセンターを配しており、この部分にはポール型のディフューザーと面を覆う木材が張られており、初期反射を程よく拡散し、フラッターエコーが生じるのを抑えています。ホール全体はフラッターが生じやすいコンクリートで建築されていますが、天井の梁の深い形状や床面の材料により、不快なフラッターを感じることもなく、程よい残響時間を実現しています。

床表面板の張り目の方向は縦張り(客席に向かって縦方向)としてあり、楽器の振動が床に伝搬してステージ床から放射され楽器の音と一体となって聴衆の耳に届くことを意識した設計となっています。

天井に備え付けられた、いわゆる吊りモノも、コンパクトかつスマートに設置してあり、照明の調整やマイク設置も簡便に行えるようになっています。見渡せば静音設計とみられる空調ダクトが設置されており、その形状も洗練されたデザインで印象的です。オーナー様の思いを設計にしたホールだからこそ、多くのファンが集うのだと思いました。


7時に開演した演奏会。途中、2度の換気の時間を挟み、約1時間40分の熱演が繰り広げられました。とくに後半のシューマンの大作は、思わず身を乗り出してしまうような演奏で、お客様もお喜びだったと思います。このメンバーによる演奏会は、来る9月18日にも、横浜・山手ゲーテ座でも予定されているとのことです。


今回9月2日に収録した全プログラムは、18日の公演以降、有料配信されるそうです。気になる方は是非、アクセスしてみてください。


一足はやく収録した一部をご紹介します。





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