2月17日にスコット・ジョプリンのラグタイムピアノ曲をレコーディングしてきました。収録場所はスタジオ ピオティータさん、ピアニストは石澤真奈美さんです。
石澤さんとは4年前あたりに、日本ラグタイムクラブのアルバム(2021年発売)のレコーディングでご一緒させて頂いたのですが、今回のご依頼はご自身のアルバム制作として、ジョプリン全曲をレコーディングしたいという長期的な計画でのご依頼でした。スコット・ジョプリンのピアノ曲は全曲で60曲近くありますので、数年かけて全曲をレコーディングしていく計画とのことです。まずは今回14曲の収録からスタートということになりました。

スコット・ジョプリン(1867年か1868年~1917年4月1日)はアメリカ合衆国のアフリカ系アメリカ人の作曲家・ピアノ演奏家で「ラグタイム王」(King of Ragtime)と呼ばれています。クラシック音楽のピアニスト・作曲家としての人生を歩みたいと願いジョージ・R・スミス大学で学びましたが、ヨーロッパのクラシック音楽とアフリカ系アメリカ人のハーモニーとリズムを結びつける音楽を追求し、「ラグ(Rag)」という音楽ジャンルを開拓した人です。
陽気なリズムの中にも哀愁や翳を感じるラグの曲調は、元黒人奴隷農夫の息子として生まれたジョプリンの人生のみならず、急進していく19世紀後半のアメリカのダイナミズムや、当時の人々の生活の様子が窺えるような生き生きとした印象を私達に与えてくれます。

石澤さんは、そうした古きよきアメリカのピアノサウンドが好きで、ラグタイムの時代に近いピアノを探していたそうです。今回レコーディングしたピオティータさんにあるピアノは1931年製のNYスタインウェイB型ですから、この企画にはピッタリだったと思います。

スタインウェイの創業が1853年ですから、この時代がクラシックのみならず、ラグタイムをはじめとする大衆文化の中で、ピアノという楽器が音楽の主役として黄金期を形成したことが窺えます。
レコーディングした中から、ショート動画で2曲ご紹介します。
Entertainer / Scott Joplin
Scott Joplin's New Rag / Scott Joplin
Comments