1月13日にマンドリンオーケストラの収録をしてきました。ご依頼頂いたのは、十文字中学高等学校のマンドリン部さんです。創部50年目をむかえた伝統のある部で毎年出場している全国コンクールでは、文部科学大臣賞(全国1位)や朝日新聞社賞という素晴らしい賞を受賞してきている強豪校です。
毎年この時期には収録のご依頼があり、今年も朝早く講堂につくと、生徒さんが練習に励んでいて、録音に臨む気迫に満ちていました。このオーケストラは、様々なマンドリン属の楽器を中核に据え、クラッシックギター、コントラバス、フルートなどで編成されており、総勢40名程度。全体として奏でられるアンサンブルはマンドリンの繊細な響きを楽しめるだけでなく、曲の盛り上がる部分では壮大な迫力があり、独特の魅力があります。殊に、トレモロが奏でる切ない旋律は、マンドリンならではの響きと言えます。
例年感じることですが、練習の様子には生徒さんの自主性が色濃く感じられ、進行の時間配分をはじめ音楽的な構成や響きの創り方など、自分たちのマンドリン・オーケストラのサウンドを創り上げていこうとする一体感に満ちています。指導される先生方もポイントを絞ったアドバイスのみで、生徒さん達の練習を見守るスタンスに徹しているような印象を受けます。気になるパートを繰り返しおさらいしながら、指揮者が指示を飛ばします。さすがに強豪校だけあって、レベルの高い演奏が講堂に響きます。
生徒さんが練習している間に録音機材とマイクをセッティングしていきます。学校の講堂は音楽ホールのような精度の高い音響特性は望めませんが、マイクセッティングに自由度があり、工夫次第で豊かで音楽的な録音が可能です。
学校の講堂の場合、舞台に高さがありますので、マイク・スタンドに延長ポールをジョイントして高さを出します。延長ポールはネジのはめ込み式。何本でも連結可能で、取り外せばコンパクトに収納できるため便利に使えます。スタンドの底部にはアンカーを取り付けて安定させてセッティングします。
マンドリンの繊細な響き、弱音時のピッキングのニュアンスを捉えつつも、オケ全体が豊かに響くベストポジションを探ります。今回はオケ全体を狙うステレオペアと、講堂全体の響きを捉えるアンビエンスマイクをセッティングしました。数テイクの録音後、無事OKテイクを収録。よい演奏を収録することができました。今後の十文字中学高等学校マンドリン部の活躍が楽しみです。
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